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    根抵当権と相続(個人事業主の場合)

    2017.07.25

    根抵当権とは、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保する抵当権のことです。つまり、普通抵当権であれば、お金を借りる場合に抵当権を設定し、返済したら抵当権を抹消しなければならず、何度も借りたり返したりを繰り返すような場合にその都度設定・抹消をすることになり面倒ですが、根抵当権であれば、あらかじめ定めている上限額(極度額)以内なら、その都度設定・抹消をすることなく自由にお金を借りたり返したりすることができる、ということです。

    では、根抵当権の債務者(お金を借りる人)が死亡し相続が開始した場合、根抵当権はどうなるのでしょうか?債務者が死亡した場合、原則、債務者が死亡した時に根抵当権取引が終了することになります(元本が確定される)。しかし、なかには取引を継続させたい場合もあるかもしれません。そこで根抵当権には、根抵当権者(お金を貸す人)と根抵当権設定者(根抵当権が設定されている不動産所有者)との間で取引を継続する合意がなされ、取引を承継する相続人を定めれば、根抵当権取引を継続できるという例外規定があります。

    その場合、

    1.相続を原因とする所有権移転の登記

    2.相続を原因とする債務者変更の登記

    3.指定債務者の合意の登記

    を行う必要があります。ただし、相続開始後6か月以内に行わなければ、原則通り元本が確定され根抵当権取引は終了することになるので、注意が必要です。

     

    根抵当権には、上記の場合以外にも、普通抵当権とは異なる細かな規定が多く存在します。弊社では、根抵当権に関するご依頼も多くいただいておりますので、お困りの際は是非とも弊社までご相談ください。