高齢社会を迎え、被相続人はもちろんのこと、相続人も高齢になっているケースは少なくありません。では、相続人のなかに、認知症などの精神上の障害により判断能力が不十分な方がいる場合、どのような相続手続きをとる必要があるのでしょうか。
まず遺産分割のパターンにはいくつかあります。
①法定相続
あらかじめ法律で定められた法定相続分に従って相続することです。この場合は遺産分割協議をする必要がないため、相続人のなかに認知症の方がいたとしても、その他の相続人の申請で登記が可能なため、特に問題はありません。
②遺言
法定相続と同様、被相続人が遺言を残していた場合も、遺産分割協議をする必要がないため、特に問題はありません。
③遺産分割協議を行う
相続人のなかに認知症の方がいる場合、その遺産分割協議は無効となります。なぜなら、遺産分割協議は意思能力のある相続人全員の合意がなければ成立しないため、精神上の障害により判断能力が不十分な方の意思表示、つまり意思能力を欠く意思表示では、無効となってしまうのです。
次回は、有効な遺産分割協議についてご説明します
合計 円